ギアを使い続けていく上で最も大切なのが「洗濯」である
連載「HOW TO ウォッシュ」では、メンテナンスをキーワードに様々なアイテムの正しい洗濯方法を紹介していきます。初回はザ・ノース・フェイス事業部のMD担当である大坪岳人さんによるダウンジャケット編をお届けします。
正しいダウンジャケットの洗い方
- 1.
洗濯はダウンウエアそれぞれの洗濯取扱い表示にしたがって行いましょう。ダウンというアイテムひとつとっても、洗濯表示には違いがありますので、ご注意を!
- 2.
洗剤は専用のダウンクリーナーで。汚れのひどい箇所は、事前にダウンクリーナーを少量つけて歯ブラシなどでこすりましょう。通常の合成洗剤での洗濯も可能ですが、ダウンの持つ重要な油分まで失われてしまうケースがあります。
- 3.
容器にぬるま湯(30℃以下)を張り、適量のダウンクリーナーを溶かし、優しく押し洗いします。強く捻ったり、絞るとダウンの破損につながりますのでご注意を。また、首元や襟元、汗をダイレクトに受ける裏面など汚れやすい箇所を重点的に洗いましょう。
- 4.
目安として、すすぎは洗った時間の約2倍やることを推奨します。その際も強く捻ったり、絞ったりせず、優しくすすぎ、水が溜まりやすいポケットなどに洗剤が残らないようにしましょう。
- 5.
すすぎ後、強く絞ることなく、ここでも優しく、押し出すように水をきろう。
- 6.
ウエアを洗濯ネットに入れ、なるべく他の洗濯物とは一緒にせずに洗濯機で脱水します。
- 7.
低温に設定し、洗濯ネットにウェアを入れた乾燥機へ。ダウンの偏りを減らし、湿気を残すことなく乾燥させることができます。また、自然乾燥をする場合は風通しの良い日陰で平干しに。途中に手で叩くなど偏りを直し、ダウンをふんわりとさせるように心掛けましょう。
- 8.
ハンガーに吊るして保管します。スタッフバッグに入れたまま保管しておくと、ロフト(嵩高)の低下を招くばかりか、余分な湿気をためて品質を低下させる恐れがありますのでご注意を!
本来ダウンの寿命は100年とも言われている
天然の羽であるダウンそのものの寿命は、100年だと言われています。
着る人の油や汗、外からつく汚れが付着することで、本来の機能が低下したり、劣化に繋がったりするのです。つまり、丁寧に洗い、正しく保管することによっては長き渡って使い続けるポテンシャルを持つアイテムだと言えます。
道具を大切に愛用し続けていく、その第一歩となるのが「洗濯」であることをお忘れなく。
大坪岳人(おおつぼがくと)
1979年9月23日、石川県内灘町出身。登山とヨットが趣味で転勤族だった新聞記者の父親に寄り添い各地をまわり育つ。商専高専在学中に帆船日本丸でのハワイ航路往復、世界一周を含めた一年間の遠洋航海実習を経験し、卒業後米国へ留学。2004年入社、2006年よりアパレルG、MDアシスタントを経て現職(ザ・ノース・フェイス事業部アパレルグループマーチャンダイザー)。これまでに2度日本山岳耐久レースの完走経験があるものの、中学はハンドボール、高校はラグビー、そして現在はゴールドウインのサッカー部に所属するなど、根っからのチームスポーツ派。趣味は料理、最近は家族や仲間たちとのキャンプが何よりも幸せに感じる二児の父。
(動画 井上典慎 / 文 SPORTS FIRST MAG編集部)