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スポーツを楽しむコツ

スポーツ・アウトドアの魅力や、ウェアのメンテナンスなど、
スポーツを楽しむコツを紹介します。

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START UP ギア
トレイルランニング編

2015.03.31

ザ・ノース・フェイスのレインウエア(上)(下)/ ザ・ノース・フェイスのパックパック/ ザ・ノース・フェイスのショーツとTシャツ、ザ・ノース・フェイスのBUFF、おにぎり×3、トレイルミックス、SUUNTOのウォッチ、ヘッドランプ、ポイズンリムーバー、熊鈴、エイドキット、ヒートシート、グラナイトギアの防水スタッフサック、豆乳・黒ごまきなこ、豆乳・ゆず、ココナッツウォーター、ザ・ノース・フェイスの非売品シューズ

装備には、“らしさ”が必要不可欠なんです

スポーツ種目ごとにスタートアップに不可欠なギアの紹介から、プレーヤーとしてフィールドやグラウンドに足を踏み入れる前に知っておきたいルールやマナー、心構えを伝えていく連載「START UP ギア」。

初回は、100マイル(160キロ)のレースを数回完走するほど、トレイルランニングの世界にのめり込む、ザ・ノース・フェイス事業部の村井絢子さんによるトレイルランニング編をお届けします。

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今回の装備は、想定では丹沢トレイル20〜30km。まず、どんな天気予報であっても私は必ず持っていくのが防水のウエアです。これは春先では軽量かつゴアテックスなどしっかりしたタイプを選び、濡れないだけでなく、寒さ対策も。真夏の山行では、薄くてペラペラな防水ウエアを持つようにしています。山頂で気温が低いこともありますからね。この防寒着は、もちろん個人差があり、正解がひとつではありません。暑がりの方と寒がりの方、それぞれ自分自身にあった装備とアイテム選びをすることが大切です。

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個人差があるということで言えば、実は私、とっても食いしん坊です。すぐにエネルギー切れを起こしてしまうタイプで、それがモチベーション低下にもつながります。ですから行動食のルールは、人の1.5倍。軽量軽装が重視されがちですが、そこも自分らしさ。どんな行動食が自分自身で山で回復させてくれるかと言えば、私はまず美味しいと思って食べられるものであること。ですから補給はなるべく天然の食材からと思っています。ドライフルーツから糖質やミネラル、ミックスナッツから脂質やビタミン、豆乳で植物性タンパク質、そして天然のスポーツドリンクと言われるココナッツウォーターでミネラルを摂取します。

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キャップやサンバイザーという選択肢もある中で、私は決まってターバンを頭に巻いています。理由は視界の確保。足元に意識が集中してしまうトレイルランでは、頭上の視界が狭まったときに木の枝などに頭をぶつけてしまうこともあります。過去に一度、枝に頭を強打してしばらく動けなくなった経験があるんです。それ以来、私はターバンスタイルを好んでいます。私のようなボブの髪型の方は髪留め、汗止めとしても重宝します。でも、ターバンだと木の枝が目に入ってしまう危険もあるので、あくまでも私の好みのスタイルですけどね。

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最後は、リスクマネージメントの必需品。トレイルで遭遇する蜂対策のポイズンリムーバーと、熊鈴。応急処置ができるエイドキット。そして念には念をのヒートシートです。どれも軽量なので、必ず山には持っていくべきものですね。

人と競う以外の楽しみがある。それがトレイルランニングの魅力です

  • 201312箱根
  • 20120716甲斐駒ケ岳2

私なりのトレイルランニングの定義とは、競技スポーツではなく、アウトドアフィールドで遊ぶひとつの手法。そもそも私は、トレイルランに出会うまで、競技性のあるスポーツしか知りませんでした。学生時代に競技スキーに取り組み、引退。その後は健康維持のために身体を動かしたいなという気持ちはありましたけど、スポーツとは疎遠になっていました。

それがゴールドウインに入社し、きっかけもあって、トレイルランの短いレースに出ることに。レースではもちろん順位もつきますし、タイムも出ます。でも走るランナーたちは、良い成績のために競っていながらにして、どこか助け合っていました。もし誰かが体調不良で立ち止まったり、怪我でもしたものなら、トップ選手たちまでもが声を掛け合う、励まし合う、そんな空気感があったんです。これにはとっても感動しました。このときに私は競わずに楽しむことができる、新しいスポーツと出会うこととなったんです。

これからトレイルランニングをはじめたい方へ

“走る”というキーワードつながりで、最近はロードランナーがトレイルランニングを始めるケースもだいぶ増えてきました。これはとても良いことだと思いますが、あくまで行き先は山である、と認識することが大切です。ランニングの延長かのように軽装で入山してしまうケースもしばしば。でもこれまで山を始めるとなれば、トレッキングブーツに、ザックに、レインウエアにと装備を揃える、高い意識があったはずなんです。走ろうが、歩こうが、山に足を踏み入れることに変わりはない。ですから自分の身を守る、そして楽しめる、“らしい”装備の準備からスタートすることをオススメしますね。

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  2. 村井絢子(むらいあやこ)
    1982年生まれ、北海道出身。札幌西高等学校卒業。2008年3月新潟大学大学院美術科を卒業後、同年4月にゴールドウイン入社。2009年4月よりザ・ノース・フェイス事業部勤務。趣味はトレイルランニングと美術館巡り。マイブームはキャンディクラッシュ。

(写真 コテツ / 文 SPORTS FIRST MAG編集部)

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